バンクーバー胸痛ルール

STEP1
初期ECGが正常(*1)かつ虚血性の胸痛の既往がない(*2)人かどうか
 *1 ST-T異常のうち, 平坦T波だけは認めてもよい
 *2 過去に心筋梗塞または狭心症の診断がついた場合、ニトログリセリン処方歴あり、
  はっきりと労作性狭心症の病歴が認められる場合
→違う場合はルールから外れる
→該当すればSTEP2へ
STEP2
40歳未満の人
→STEP5

40歳以上で低リスクの胸痛(*3)
  *3 放散痛なし、深呼吸で増強する、触診で増強する胸痛
→STEP3へ
STEP3
初期CK-MB 3.0μg/L未満
→STEP5へ

初期CK-MB 3.0μg/L以上
→STEP4へ
STEP4
到着後2時間以内に、ECGに変化がなくCK-MBとトロポニンの上昇がみられない
→STEP5
STEP5
早期帰宅可

入院の必要のない患者を不必要に入院させることがないようにする
STEP5に到達しない患者は入院観察を要する


バンクーバーの病院で施行された前向き試験
25才以上の前胸部痛または側胸部痛を主訴に来院した769人を解析し、
77人(10%)がAMI、88人(11.4%)がACSと診断された。
帰宅させるべきでない人を感度99.8%、特異度32.5%で拾い上げることが可能

実臨床で使えるかは微妙 by循環器専門医


バンクーバー胸痛ルールを簡単に評価できるツール(外部サイト)

参考文献
A clinical Prediction Rule for Early Discharge of Patients with Chest Pain
Chistenson et al., Annals of Emergency Medicine, 2006

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