急速導入 Rapid
緩徐導入 Slow
迅速導入 Rapid Sequence Induction(RSI) / Crush
急速と迅速のニュアンスが似ており混同しやすいが、急速は通常の麻酔で迅速は緊急麻酔のイメージ。
■急速導入(Rapid Induction)
十分に酸素化を行ってから静脈麻酔薬と鎮痛薬を用いて入眠させた後に筋弛緩薬を投与して気管挿管を行う、通常の麻酔導入方法。 静脈路確保が困難な患者では静脈麻酔薬を用いることができないため、急速導入が出来ない。
■緩徐導入(Slow Induction)
吸入麻酔薬によりマスク換気で入眠させ、麻酔を深くした後、静脈路確保を行う麻酔導入方法。覚醒状態で静脈路確保が困難な小児などに用いる。
■迅速導入( Rapid Sequence Induction )
緊急時の手術の場合などで、フルストマック(胃内容物あり)で誤嚥性リスクが高いと考えられる場合に行う方法。十分な酸素化に続き、静脈麻酔薬と筋弛緩薬をほぼ同時に連続して投与(rapid sequence)し、マスク換気を行わずに気管挿管を行う方法。入眠後は輪状軟骨を圧迫して食道を閉鎖して胃内容物の逆流を防ぐ。
胃内用物誤嚥のリスクファクター |
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8時間未満の絶食 外傷 腹腔内病変:腸閉塞、炎症 腸蠕動の不全麻痺(薬物、糖尿病、尿毒症、感染) 食道疾患:症候性胃内容逆流 蠕動障害 妊婦 病的肥満 摂食歴と飲水歴が不明 |
「迅速導入をより確実にするために」日臨麻会誌vol.28 No.4, 590~598, 2008より引用 |
参考文献
改訂版 麻酔科 薬剤 ノート
Gal TJ : Airway management, MIiller’s Anesthesia, 6th ed. 2005, 1617-1652
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