神経細胞膜は、リン脂質二重膜で構成されている。痛み刺激は、細胞膜に存在するNaチャネルとKチャネルが関与している。局所麻酔薬はこのNa チャネルを非特異的にブロックすることによって、末梢神経細胞の活動電位の発生と伝播を抑止する働きを持つ。
局所麻酔薬を投与すると、無髄線維である C 線維から始まって、細い有髄線維(知覚神経: Aδ線維は温痛覚、Aγ線維は固有感覚や筋緊張、Aβ線維は触覚・圧覚を司る)、最後に太い有髄線維である Aα線維(運動神経)が麻酔される。ただし、Aδ線維と細さが似る B 線維(自律神経)のみ例外であり、ブロックされる順番は B >C = Aδ> Aγ> Aβ> Aαである。つまり、「自律神経遮断→温度感覚消失=痛覚消失→触覚消失→自己受容体感覚消失→骨格筋弛緩」の順に効果を発現する。遮断の回復は逆の順序で起こるので、運動神経の遮断時間は短く、自律神経の遮断は最も長く続く。
⇩医学ゴロなう さんでも
【血管 on to shock at 運動】麻酔が効く神経の順番。血管…自律神経、on…温度覚、to…痛覚、shock…触覚、at…圧覚、運動…運動神経。※麻酔薬は細い神経、無髄神経に早く効く。
— 医学語呂なう (@med56_bot) October 29, 2011
医学生の味方、医ンプットでは一風変わった暗記方法も。
「公園でon to shock atモーと泣く牛」
on to shock atは一緒…
参考文献
Hadzic A. Textbook of Regional Anesthesia and Acute Pain Management. 1st ed. New York, NY: McGraw︲Hill Medical; 2006. p.159.
末梢神経ブロックの疑問 Q & A 70
続・末梢神経ブロックの疑問 実践編 Q & A 70
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