心不全が進行する患者さんは、安静時にも呼吸困難感が出現し、起座呼吸や発作性夜間呼吸困難がみられるようになる。
起座呼吸
起座呼吸とは、呼吸困難が仰臥位で増強し起坐位で軽減する状態である。
仰臥位では右心系への静脈還流量が増加するため、肺を経由して左心系の前負荷が増加し、心不全では、この前負荷の増加に対応出来ずに肺うっ血が助長され、呼吸困難が増悪する。起き上ることで静脈還流量を減少させて呼吸困難を軽減する姿勢をとる。
発作性夜間呼吸困難
発作性夜間呼吸困難は就寝1~3時間後に息が苦しくなり目が覚め、起坐位をとると呼吸困難が軽くなる症状で、起坐呼吸と同じく左心不全の症状である。仰臥位による静脈還流量増加に加えて、副交感神経優位による心機能抑制や、呼吸中枢抑制が起きるため呼吸困難が増悪する。
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