横紋筋融解症とは骨格筋の破壊によって筋肉成分(ミオグロビン、CK、LDH、尿酸、K、リン酸など)が循環系に放出されることにより、腎機能障害や電解質異常が起こる病態
原因
外傷:圧坐症候群、コンパートメント症候群、感電
身体活動:強度な運動、けいれん、アルコール離脱症候群・せん妄・興奮・不動
筋の低酸素状態:大血管閉塞、不動による四肢の圧迫、CO中毒、シアン中毒、血管内血栓症、鎌状赤血球症
遺伝性疾患:解糖系、脂質代謝系異常、ミトコンドリア病、G6PD、プリンヌクレオチド回路≧
感染:インフルエンザA/B, コクサッキー、EBウイルス、HIV、レジオネラ、Streptococcus Pyogenes, Staphylococcus aureus, Clostriduim感染症
体温異常:熱中症、悪性高熱、筋弛緩薬性悪性症候群、低体温
代謝性・電解質異常・自己免疫疾患:高/低Na血症(水中毒など)、低K血症、低リン酸血症、低Ca血症、非ケトン性高浸透圧症候群、DKA、血管炎、皮膚筋炎・多発筋炎、甲状腺機能低下症、高アルドステロン症
薬剤・毒素:フィブラート・スタチン、アルコール、ヘロイン、コカイン、蛇・くも・昆虫刺傷
特発性
診断基準
明確な基準はない。
CKが正常値の5~10倍
ミオグロビン尿の存在
治療
AKI(-), stage1
保存的治療
1)輸液
・初期:等張性生理食塩液急速投与(10~20mL/kg または1L) + 5%ブドウ糖液(1L)急速投与 上記にメイロン🄬(8.4%) 100mL追加投与
・維持:尿量を1~2mL/kg/時に維持する輸液
2)尿アルカリ化 尿pH≧6.5
メイロン🄬(8.4%)200~300mLないし
30~44mEq/Lの等張性生理食塩液100mL/h
3)利尿薬
・20%マンニトール投与 維持量10mL/h
中止条件
尿アルカリ化:4から6時間かけても尿pH6.5まで上昇しない, 低Ca血症の出現
利尿薬:浸透圧ギャップ55mOsm/kgを超える
AKI stage2,3 は腎代替療法を検討
参考文献
ER実践ハンドブック〜現場で活きる初期対応の手順と判断の指針
ICU実践ハンドブック改訂版〜病態ごとの治療・管理の進め方
UpToDate🄬
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