腫瘍崩壊症候群とは?
腫瘍崩壊症候群とは、抗癌剤の開始などにより、大量の腫瘍細胞が崩壊し、細胞内の成分の流出によって、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症をきたす病態です。
電解質異常による不整脈や高尿酸血症による急性腎不全により致死的になることがあります。
発症した場合は、輸液負荷、利尿薬投与により腎機能の改善や体液量のコントロールを図り、電解質の補正を行います。状態が悪化すると透析が必要になる場合もあります。
腫瘍崩壊症候群(TLS)の定義
Laboratory TLS
治療開始前3日~治療開始後7日までに以下の2つ以上を満たす。
・UA(血清尿酸値)≧8mg/dLまたは基準値の25%増加
・K(血清カリウム値)≧6mEq/Lまたは基準値の25%増加
・P(血清リン値)≧6.5mg/dL(小児)・4.5mg/dL(成人)または基準値の25%増加
・Ca(血清カルシウム値)≦7mg/dLまたは基準値の25%増加
Clinical TLS
Laboratory TLS + 以下1つ以上を満たす
・血清Cre値≧基準値×1.5
・致死的不整脈
・痙攣
語呂合わせ 腫瘍崩壊症候群
ゴロ 放火でうわっ!隣家燃え盛る
語呂合わせ
放火でうわっ!隣家燃え盛る
腫瘍崩壊症候群は時として致命的になりうる病態です。崩壊(放火)で隣家が燃え盛り亡くなるくらいです。うわっと燃え(上がる)のはUA、P、Kで、盛る(下がる)のはカルシウムです、盛るに下がるとカルシウムの2つの言葉が掛かっています。
参考文献
Cairo, MS et al. Br J Haematol 2004: 127:3.
Coiffer Bet at. JCO 26:2767-2778, 2008
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